gusonの日記

脳外科勤務医.仕事,茶と書,仏教,趣味,その他について独り言です.

ゆっくりと精進,医師の修行もゆっくりでよろしい

管長日記と呼吸瞑想 第1337回2024/9/4 より 無理のない精進

https://www.youtube.com/watch?v=mvuNW0Abz8g&t=494s

 

例によって,先生のお話を聞く.

無理のない精進というお話.

60歳過ぎの方,定年後になんと修行僧として円覚寺にお向かえしたということから話がはじまる.それはかなり大変でご苦労なさったということ,それはそうであろう.だいたい,20歳そこそこで入門するというものらしい。体力的にきついどころか,健康を害する懸念,さえ生じてくる。ただ,いずれも期間を無事に修行を終了し,巣立っていったということ.

 

ここで,先生は修行はゆっくりやるのでよいではないか,と問題を提起する.修行の密度とか速度とか,内容とかそういったことに関してのことだ、横田管長自身は若年のころよりぬるま湯ではだめだと,思われなにごとも熱心に修行をしてきたということ.ところで,ここでお風呂のお話がでてくる。熱いお風呂では出てもすぐにからだが冷えてしまい,むしろからだに悪いのだ、と。そこで,ぬるま湯に長いことつかっていたほうが,実はからだが良くあたたまるというのである.

 

それから禅はどんな形でも可能である,本来,座布団におしりをのせて結跏趺坐,半跏趺坐するのが本来であろうが,イスにすわっても十分坐禅を経験できる,ということでイス坐禅なるものを考案し,東京駅近くのオフィス街であえて毎月1回イス坐禅の講習をしている,という話をされる.で,いろいろ祖師らの言動をここで引用される.祖師らもけっしてぬるま湯でダメ,とは断じていない,修行はながいこと,時間をかけて行うということ.邪な心を起こさないことが肝要ということ.こうして、お坊さんの世界も変化していくのだろうか。どうだろう。禅寺という伝統のなかでそれをおっしゃている。

 

さて医師は?もちろん,医師の訓練というものも変化している.まず医師としてのトレーニング,すなわち医師のキャリアというものも,むかしと比較し今は随分変化している.医師免許を取得しても,研修医として今は全科をローテーションせねばならない仕組み.年とって医師免許を取得された場合も研修医から始まるのは同じである.そして2年たてば専攻医となり医師として,専門医取得を目指して本格的トレーニングがはじまる.むかし,私が卒業したのは昭和であり,パワハラと言う言葉もなく,当直,手術,ICU管理,手術,当直,カンファレンス,回診・・・日々激務であった.働き方改革というこのご時世で,医師のトレーニングも変化が来ている.これがどういうふうになっていくか.

 

すべて変化していくのだが、いろいろこのぬるま湯方式ということになるのだろうか.